今回は特定非営利活動法人志塾フリースクールラシーナの理事長の田重田勝一郎さんから休眠預金活用事業の報告を抜粋してお届けします。
田重田勝一郎さん
今回、休眠預金事業として私たちが活動してきましたのは、不登校の子どもと地域の子どもがユルくつながる居場所事業泉北BASE という場所を設立をして活動してきました。
私たちは、2016年からフリースクールをはじめとする不登校の子どもの支援をしてきた団体です。今回の事業では、フリースクールも運営していますが、地域の子どもの居場所を併設しました。地域の子どもと不登校の子どもが同じ場所をシェアしながら一緒に活動できるというような場所をつくってきました。
なぜフリースクールをやっている団体が駄菓子屋とフリースクールを掛け合わせてやっているのかということなんですけども、私たちの課題感としては、不登校の子どもの居場所は圧倒的に足りてないという認識があります。地域の子どもの居場所もどんどん減ってきているというのが現実的にあります。
私たちが目をつけたというか着目したのは駄菓子屋さんです。
駄菓子屋さんとかゲームセンターみたいなアミューズメント施設みたいなところは、昭和の1980年代から90年代から考えても、もう10分の1ぐらいまで減ってきています。
そういう地域の子どもの居場所をつくることで、フリースクールと一緒に同じ場所を共有することで、不登校の子供とのつながりをゆるやかにつくって、不登校への理解につなげたいということが1つです。
もう1つは、不登校の子どもたちにとっても、地域とのつながりは、フリースクールは事業的になかなかつくりづらく、地域との入り口がなかったんですけども、駄菓子屋さんとかフリースペースというのを併設することによって、誰でも気軽に立ち寄れる場所して、地域の子どもがフリースクールにアクセスするためのいろいろなハードルを少しずつこう下げていくということを意識してつくりました。
主な内容としましては、1階でカフェと駄菓子屋さんを運営をして、2階でフリースクール、それから図書スペース、ライブラリー、レンタルスペースを運用しました。
登録累計20名の子供たちが活動をしています。駄菓子屋さんとカフェに関しては2万5000人ほどの来場者数があります。
フリースペースはお金を使わなくても子どもたちが遊びに来れるので、3万5000人ほどの利用がある形です。
これまでの実績として泉北BASE全体の運営としては、お店というインターフェースを持つことによって、地域の困りごとを持ち込む仕組みができて、それを実行会議という行政の方や地域の福祉の専門家の方に参加していただける会議体をつくることで、それを解決に向けて話し合うという仕組みができたことです。
フリースクールにおいては、地域の子どもとの交流をつくる仕組みができて、外に出ていきやすくなったということがあります。
駄菓子屋さんやカフェにおいては、カフェの飲食代が一部寄付を含むことによって、大人が子どもの居場所を支援する仕組みができたことが挙げられます。
課題としては、私たちが想定してたよりもレンタルスペースの利用がちょっと進まなかったというところはあります。助成事業が終わって、実施事業として今運用を開始しているのですが、今の段階になって少しずつ長く活動することによってレンタルスペースの利用が今進んできているというような状況です。子どもも大人も気軽に立ち寄れる場所として今後も活動を広げていきたいと思っております。